午後9:00過ぎ
お風呂から上がり、今日のことをぼんやりと考えながらベッドでゴロゴロとしていると
♪〜
携帯の着信音
こんな時間に誰だろ?
携帯の画面を見ると
【斎藤 秋】
「っ秋くん?!」
びっくりしてベッドから飛び起きた。
「は、はい!もしもし!」
「沙羅、今電話大丈夫?」
「うん、大丈夫!どうしたの?」
心臓の音が秋くんに聞こえるんじゃないかってくらいうるさい。
「今日ちょっと様子が変に見えたから。
なんかあった?」
「.....何もないよ〜。秋くんの勘違い!」
茜さんは秋くんの彼女だから、悪く言えない。
私が秋くんと仲良くしてたのが気に入らなかったんだろう。
私が茜さんの立場なら、嫌に決まってる...。
「沙羅?」
「ごめーん!
さっきからママに呼ばれてるからもう切るね。
おやすみなさい。」
「...わかった。なんかあったらすぐに言えよ?
おやすみ。」
いつもなら絶対に自分から電話は切らない。
ママに呼ばれたなんてウソ。
「上手く演技できたかな...?」
ぽつりと独り言が部屋に響いた。

