涙を堪えながら、お弁当を食べようとした時
「おっ、沙羅の弁当唐揚げじゃん!
一つちょうだい♪」
そう言って唐揚げをヒョイと取ってパクっと食べた。
「うめぇ!
これ沙羅が作ったの??」
「あ、うん!頑張ったんだよー!」
食べてくれた!
しかも褒めてくれた…
練習したかいがあったよぉ…!
嬉しさで顔がにやけてしまう。
「まじか!あのご飯の炊き方もわからなかった沙羅が。」
「もう、一言多い!
昔とは違うんです!!」
二人でそんなやり取りをしていると、
「秋ー?、私のお弁当にも唐揚げ入ってるよ?
ほら食べて食べて!」
「おっ、いただきます!
さすが茜のも美味いわー。」
「ふふっ、いっぱい食べてね。」
そう言いながら、秋くんの体をベタベタ触りながら私の方を向いてきた。
それはとても冷たい視線で。

