空き教室に移動して、

やっとお昼ごはんだ。
うきうきとランチバッグから二人分のお弁当を出す

「秋く、」
「秋!!実は秋の為にお弁当作ってきたんだよ!
早起きして頑張っちゃた〜。」

声かけようとした途端、茜さんに食い気味に遮られた。

...茜さんもお弁当作ってきたんだ。
彼女だもんね。
嫉妬しちゃダメだ。

「まじで?美味そう!
茜サンキュー。」


すごい喜んでる。
しかも彩りもいいし、デパ地下のお弁当みたいに豪華。

気づかれる前にサッと秋くんに渡すはずだったお弁当をカバンにしまった。


秋くんのバカヤロー。
二人で食べれると思って、朝早くから頑張ったのに。


私も秋くんにお弁当作ってきてんだよ...。
いっぱい練習して
秋くんの大好きな唐揚げたくさん入れてきたよ。

悲しくて、目頭が熱くなってきた。

「...沙羅?食欲ない?」

「ううん!ちょっとボーッとしてただけ。
いっただきまぁーす!」

いけない、いけない。一緒にお弁当食べれるだけでも嬉しいことなのに、欲張っちゃいけないよね。

私は彼女じゃないんだから。