片想い

フリーズしていると
「貸して」と
肩に掛けていたバッグを取られた。

やっぱ、そっちかぁと肩を落としたと同時に温かい体温に右手が包まれた。

気づけば秋くんが私の手を握っていた。

これは夢なの?!
嬉しいけど、心臓がやばい!


「沙羅の手、相変わらず柔らけえ。」

そう言って、笑いながら手をにぎにぎされた。
その繋がれた手を秋くんの口元に持っていき、柔らかい唇に触れた。
ニヤっと笑う顔さえ格好良い。
ひぇ!秋くん!な、何をするの?!


「そ、そうかな!?
秋くんの手も相変わらずおっきいね!」

動揺してるのを気付かれないように頑張って冷静に振る舞ってみたけど、ごまかせたかな。
指太いと思われたかな。
とにかく恥ずかしい。