片想い



「沙羅ちゃん!大丈夫〜?
怪我したって聞いたよぉ。」


絶妙なタイミングで茜さんが入ってきた。



「茜、誰に聞いた?」


「さっき偶然、秋と一年の男子の会話聞いちゃったの。
来ちゃだめだった?」


「いや...、ちょっとびっくりして。」


「茜さん、わざわざありがとうございます。」


お礼を言うと、


「秋の大事な妹ちゃんだもん!心配するよ〜!」



ーーズキッ

妹か...。
分かってるけどやっぱり悲しいよ。




「沙羅?足痛い?」

秋くんが心配そうに顔を覗き込んできた。


「もう治ったかも!だからもう戻っていいよ!
茜さんもわざわざ来てくれてありがとうございました!」


ぐいっと秋くんの肩を押して早く教室に戻るように促した。