片想い


目があって手を振ると、
秋くんも振り返してくれた。


恐る恐る茜さんの方を向くと、笑顔で手を振り返してくれた。
それはもう、満面の笑みで。

その笑顔が逆に恐怖を感じた私は、ペコっと頭を下げて、


「行こ、荒川くん。」

「お、おう!」


二人を追い越して校舎に入って行った。

追い抜く時に、

「沙羅ちゃんの彼氏かなぁ〜?
お似合いだね♪」

と茜さんの嬉しそうな声が聞こえてきた。