片想い


「え?」

秋くん以外の男の子に触られたことがない私は、秋くんとは違う感触に少し戸惑った。


「ごめん、怒らすつもりはなかったんだ。
いつも先輩と一緒でなかなか話すタイミングがなくて...」

「...は?」


「〜だから俺、本田さんのこと気になってて、仲良くなりたいと思ってたの!」

顔を真っ赤にして荒川くんは言った。



「え!?冗談だよね?」

なんで人気者の荒川くんが私なんかのことを...

「マジだよ...。だから友達になってよ。」

悩んだ挙げ句、断る理由もないので

「...いいよ。男の子の友達っていないし。」

「じゃあ俺が男友達の第一号じゃん!」

「そうなるね。」


今まで秋くん以外の男子とはほとんど喋ったことはなかった。

これでちょっとは秋くん離れできるかな?


そんな二人のやり取りに気付いて、秋くんと茜さんがこちらを振り返ってきて目があった。