片想い



「あき...」
いつもの癖で叫びそうになったが、ぐっと飲み込んだ。


その時、ポンッと肩を叩かれた。

「おはよう、本田さん。」

「...おはよう。」

同じクラスの荒川くんだ。
確か学年一のイケメンだったはず。

「珍しいね、いつも先輩といるのに。」

「いつも一緒にいるわけじゃないよ。」



「あれ?また彼女かわってるね。」

ムカッ
あんたには関係ないでしょ!
うるさい...
「先行くね。」


いつもならこんな事でイライラしないのに、情緒不安定だ。

「ちょ、ちょっと待って!」


そう言われて手首を掴まれた。