小説家は感受性が高く繊細であり精神疾患を抱えやすい、昔どこかで聞いた言葉を思い出しながら読み進めました。そして最後の一文、ですね。ぞくりとも、どきりともしました。
平坦な会話文で、それでいて次第に迫っていく物語の主題。とくに2頁9行目からの文字に筆者さまの強い思いが込められているように感じました。
自分が、自分の創作物の価値を知っているうちはいい。じゃあ、もしそうすることができなくなったら? 世界に蔓延る言葉や文字に汚染されてしまったら? "僕"のように、自分が何者かわからなくなってしまうのでしょうか。
彼女、きみ、ロンドン橋落ちた、きみ、ロンドン橋落ちた、落ちた、落ちた。
まるで文豪作品を読んでいるかのようでした。
本当に素敵な文学をありがとうございます。
My fair lady.