手を引かれてたどり着いたのは、
可愛らしい家具が並ぶ、姉の部屋。
「最近どう?日本で一人…大丈夫?」
カップを手にすると神妙な顔で問われ、
私は思わず椅子を座りなおした。
「昔、一目惚れした人と再会したの。
彼も私をずっと想っていてくれた…。
私の全てを認めてくれた素敵な人!」
私はネックレスを外して姉に見せた。
姉は目を見開いたがすぐに微笑んだ。
「そうだったのね、良かった…。
ずっと心配していたの…それに、
申し訳ないと思ってて、安心した。」
姉だけは私の一人暮らしを心配してた。
私は昔から姉が大好きだった…。
「ありがとう…姉様は好い人いるの?」
だから誰よりも幸せになってほしい。
姉は静かに笑って首を横に振った。
「私は昔から見る目が無いでしょう?
それに今は仕事も軌道に乗ってる…。
色恋に現を抜かす暇なんてないわ。」
姉の視線は真っ直ぐ私を射抜いた…。
幸せの形は一つじゃないという視線。
私は自分の失言を恥じた。
「ねぇ、魅香の未来の旦那様の話、
詳しく聞きたい!!姉様に聞かせて?」
「…うん」
姉の優しい笑顔に心がツキツキ痛んだ。



