あたしを見下ろすように机の前に、

立つ女の子…窓から吹き抜けた風に、

女の子の長い黒髪が揺らぐ…。

「くしゅっ!!」

「おーおー、大丈夫?麗菜ちゃん。」

この女の子の名は黒崎麗菜ちゃん。

クールビューティーな女の子だ。

まさか同じ学校に通えるとは…!!

「この時期は相変わらずだね…どーぞ!」

「ティッシュありがとう…大丈夫。」

麗菜ちゃんはチーンっと鼻をかんだ。

アレルギー体質なのは変わらないか…。

「幼稚園以来ね、元気だった?」

「うん、今は両親の変な期待もないし、
かなり気が楽!前に比べればねっ!!」

麗菜ちゃんはほんの少し眉をひそめた。

「まぁ、あなたがいいならいいけど。」

「でもよくあたしに気づいたね!!
かなり雰囲気変わったと思うけど…。」

あたしは手櫛で髪を梳かしながら笑う。

麗菜ちゃんは横目で見てそうねと一言。

「でも、今も昔も魅香は魅香よ。」

…今、物凄く胸がぎゅっと熱くなった。

麗菜ちゃんは当たり前の事を言ってる。

そっか、麗菜ちゃんにとってあたしは、

今も昔もちゃんとあたしなんだね…。

「うん、そう…だよねー!!」