「さ、到着。どうぞ?」
そこは趣のある日本家屋。
いかにも由緒正しき家系の家って感じ。
「お邪魔いたします」
私は少し緊張しつつ、靴を揃える。
「真面目だなぁ…。」
蛍は緊張でカチカチな私を尻目に、
クスクスと笑い始めた…。
「母親がマナーは厳しかったから。
ほら、私こんな見た目じゃん?
第一印象はいつも最悪なんだー!」
特に日本はね!母親には感謝してる。
私が馬鹿だと笑われないのは、
母親が厳しい指導のおかげだから。
「見た目が美しいと印象が悪いのか?」
「ほぇ?」
階段を下りる私の時が一瞬止まった。
美しいとか…初めて言われたんだけど。
「違うよ、髪色が奇抜でしょう?」
「…そうか?綺麗だとは思う。」
あまりにも優しい視線にドキッと、
心臓が跳ねる…。私は誤魔化すように、
そんなことないよー!と笑い飛ばした。
「そういえば、どこへ向かってるの?」
階段は暗くてとても静か…。
「地下。お前を監禁しようと…」
「はぃ!?」
私のヘンテコな声が階段に響く。
手をついたコンクリートの壁が冷たい。
蛍が分厚い扉の前で微笑を浮かべた…。



