無名ファイル1


白い部屋の中心に俯く少女が一人。

屍の壁、温度のない…交差する視線。

空っぽで虚しくてどこか寂しい音がする。

…あ、これいつもの夢だ…。

「…ねぇ」

ただ、普段と違うのはあたしがいる事。

普段は空気の様にただ漂うだけなのに。

…初めて少女に話しかけた。

しかし反応はなく…ただ俯いたまま。

「立ちなさい!!月乃魅香!!!」

少女はビクッと体を震わせた。

恐る恐る顔をあげた少女の眼光が光る。

…やっぱり同じ顔。背筋が冷えた。

よく見れば屍もみんな同じ顔。

『イイナ…アナタハ、コロサレル…ワタシトハ、チガウ。』

殺される…?どういうこと。

『…ミトメラレテル、ウラヤマシイ…ワタシ…ワタシ…。』

殺される私、認められる…あたし?

認められたい私…??

『ワタシ…ワタシワタシワタシワタシワタシワタシワタシワタシ!!!!!』

空気がビリビリと揺らぐ…鼓膜が痛い!

まるで癇癪を起こす小さな子供みたい。

あたしは少女をぎゅっと抱き締めた…。

「無視して、ごめん…ごめんね!!」

少女のすすり泣く声があたしの腕の中で、

じんわりと温かく溶けていった…。