穏やかな空間と高鳴る胸の鼓動。
自分の心臓の音だけが耳にうるさい。
い、今…今の感じ…キス?キスした!?
「今、ちゅーした?嬉しい…ありがと」
平静を装って言葉を紡ぐ…。
男に免疫ないことがバレたくないから。
高校生だもん、キスくらい余裕でしょ?
…特に蛍なんて。綺麗な女の子とか、
周りにいっぱいいるんだろうし…。
「可愛いことばかり言うな…。
キスだけじゃ、足りなくなる。」
強く…優しく抱き締められる。
あっ…蛍の心臓もドキドキいってる…。
なんだ、蛍も緊張してるんだ。
「ふふっ…ごめんね、ほら早く寝よ!
あ、そういえばお仕事は?大丈夫??」
「急ぎじゃないから良い…おやすみ。」
そう言うと、蛍はすぐに背を向けた。
さっきまでお喋りしてたのに…。
寂しい…あたしは彼の背中を見つめる。
「っ!?」
背中をつぅっとなぞった瞬間、
彼はビクッと体を震わせ、振り向いた。
「魅香…悪戯は程々にしろよ?」
「理不尽!!蛍はあたしのこと、
散々くすぐり倒した癖に!!」
蛍はフッと鼻で笑った。
「お仕置きだってことをお忘れか?」
「…卑怯!!!」



