「…ねぇ、本当に良かったの?」
外灯で煌めくパーク内を歩く。
あたしの首もとでネックレスが揺れる。
うさっちモデルの指輪が輝いた…。
「…ペアリングを押し付けて引いたか?
思わず勢いで渡してた…から。」
「引かないよ!…むしろ嬉しかった」
兎耳の時もそうだ…二羽の兎は、
一緒にいなければならない。
お揃いで購入する口実になると、
カップルには人気だがあたし達は友達。
「こんなに高価な物…しかも、
あたしなんかとお揃いで良いの?」
蛍の首もとのネックレスにもお揃いの、
うさたんモデルの指輪が輝く。
「俺は今まで魅香と過ごす時間以上に、
価値のあるものに出会ったことがない。
だから指輪は良ければ貰って欲しい。」
ふたりの間を夜風が吹き抜ける…。
想い出の日を連想させる月明かりの下、
長年片思いしていた相手の言葉。
「ふふっ、まるでプロポーズだね」
「…俺は、そのつもりですよ。」
蛍は穏やかに笑うが真面目な瞳。
眼鏡越しに熱い視線が絡む…。
「…指輪、頂戴いたします」
あたしの言葉に安心した様に微笑むと、
丁寧に触れる様に髪にキスを落とした。