「わぁっ!!うさっちとうさたん!!
可愛い…この子達ベッドサイドに、
置いたら映画の完全再現じゃん!!」

二つのぬいぐるみを抱き締めて、

蛍に見て見て!!と笑って見せる。

「そうだな、連れて帰るか?」

まるで小さい子供を相手にするような、

優しい声色に我に返る…落ち着かねば。

「うーん、あたしには幸せにできない。
自信ないもん…だからやめとく…」

蛍は少し残念そうに笑った。

「それ抱えて帰る魅香…絶対可愛い。」

「何か言った?」

「いーや、何も。あっちも見よう。」

蛍はあたしの視線から逃れる様に、

アクセサリー売り場の方へ向かう。

「…指輪あるかな。」

映画のラストで渡された指輪…。

兎の目がダイヤモンドなのだ。

「あった!!!」

…わぁ、値段によっては購入も、

考えようと思ってたけど…うぅ…。

「…魅香によく似合いそうだな。」

指も細くて綺麗だもんなと微笑む蛍。

あ…しかもペアリングだったわ。

「魅香が着けてるの見たい。」

「あたしはあんたとは違って、
ただの高校生で日々金欠なのだよ!」

すると蛍がさっさと店員を呼ぶ。

「…え?」