無名ファイル1


心臓がバクバクしてる…ワンチャン、

ジェットコースターの時よりも。

「さっき…身バレした??」

彼と繋いだ手に冷や汗をかきそう…。

「いや…ただイケメンですねって、
囲まれた。バレてはないと思う。」

「…どーだか」

あたしはネットで噂が流れていないか、

少し検索をかける…今のところは…

「あっ!」

「俺といるのに別のこと考えるの禁止。」

別のことって…いや、あんたの名前を、

検索してるんですけど!?

あたしは横から携帯を取り上げられて、

検索手段を失う…。

「大丈夫だろ、モデルとデート中とか、
少しネット界隈が騒ぐ程度だ。
さっきの魅香、すげぇ格好良かったから、
悪い方向に盛り上がることはない。」

モデルって…こんな不恰好の不良品が、

そんな風に思われるわけがないじゃん。

「…蛍は世間の恐ろしさをご存知ない。」

「ふっ、なんだよ、その言い回し。」

蛍は呑気に笑う…警戒心幼児レベルかよ!

…あたしが守らないと。

さもなくば、いつか誘拐されてしまう!!

謎の使命感と責任感を覚えた。

「あ、お化け屋敷待ち時間短い…行く?」

「え、遠慮する」