「ちょっとお手洗い行ってくるね。
髪整えないと…もしもナンパされたら、
助けてって大きな声出すこと!!」
あたしが満身創痍でも形振り構わずに、
助けに行くからと肩をポンと叩いた。
「心強い申し出…非常に有り難いが、
全てこちらの台詞なんだよな…。」
行ってこいと、ヒラヒラと手を振る蛍。
何をしても絵になる…流石八頭身。
お手洗いの姿見の前に立つあたし…。
バッグからジェットコースターに乗る時、
取り外した髪飾りを手にする。
髪飾りは黒を基調としたコーム型の簪で、
暗闇の中に月や星が輝くのを連想させる。
大人の髪飾り…。黒いから銀髪に映えた。
「…王子様はセンスもいいのか」
あたしはお手洗いを後にした。
「おーまった…せぇ…」
あの人だかり…嫌な予感しかしない。
ツギハギ兎の噴水前に人がたくさん…。
あれはただの記念撮影とかじゃない。
「…ふぅ、」
あたしは少し離れたところで深呼吸。
彼のもとへ歩みを進めた。
「おまたせ、行きましょうか。」
人波を抜けて真っ直ぐ彼に声をかける。
「あぁ、次はどこへ行く?」
二人はサッサとその場を離れた。



