ー遊園地当日ー

軽快な音楽が鳴り響く遊園地。

通称ツギハギパーク。

家族連れ、カップル、友達同士…。

いずれにしても笑顔に溢れている。

「魅香、大丈夫か?」

「ん”ー…公共の乗り物で酔うのは、
かなり誤算…本当にごめん」

絶対寝不足のせい…馬鹿だな、あたし。

「ほら水、あとこれ。」

「ありが…え?」

蛍が何かを私の髪に着ける…。

麗菜に休日は簪やめたら?と言われ、

昨日今日と簪のない地味なお団子。

…見苦しかったかな。

「うん、やっぱり魅香に似合う…。
本当は昨日渡そうと思ったけど、
怖がらせたみたいだからやめたんだ。」

改めて誕生日おめでとうと微笑む蛍。

身バレ防止のための遊園地キャラの、

サングラスが憎い…目が…見えない!!

「ありがとう、大事にする!!!
あのさ…これ、受け取って!」

「…ピアス?」

蛍がピアスの穴を開けていることは、

以前”ホタル君”について調べて知った。

「しかもムーンストーンだ…。」

蛍はピアスをつけると頬を綻ばせた。

「ありがとう!」

昨日は色気、今日は可愛げ…!!

ギャップがっ…一人心の中で悶えた。