無名ファイル1


ー遊園地前日ー

「あ、ツギハギ劇場!」

遊園地の地図を見て目を輝かせるあたし。

携帯で天気を調べたり計画を立てている。

「あ、お化け屋敷に入るか?
ここのは怖いって評判だぞ。」

地図のお化け屋敷の文字を指差す蛍。

彼も少なからず楽しみにしている様子だ。

「心を乱されるのはちょっと…」

「逆に心を動かされない人間が、
そこで何を楽しむっていうんだ??」

あたしはコーヒーをズズッと飲みきって、

本日2回目のおかわりを注文した。

「…というか、今日は魅香の誕生日だろ。
俺なんかと過ごしてていいのか?」

「いや、なんでアイドルが"俺なんか"
なんていうのさ、むしろごめんね?
大事な休日をあたしなんかに割かせて!」

…というか、あたしとしては蛍に、

誕生日おめでとうなんて言われたから、

飛び上がるほど嬉しかったんだけど…。

「あっ、ほら!観覧車あるよ!!
蛍は高い所大丈夫?帰る前に乗ろうよ!」

あたしは感情がバレぬ様に地図を指差す。

「そうだな、観覧車も乗ろう。
夕食はここでどうだ?店内から丁度、
パレードが見えるらしい。」

「いいね!そこにしよー!!」