人気のないバラが咲き乱れる庭。
噴水の縁に座って三日月を見上げる。
少し冷たい夜風が当時短かった私の髪を、
撫でるように揺らした…。
「月が照らす噴水の水面
クラシックが響くテラス
バラの花咲き乱れる庭、
静寂の中響くmusic.
髪を揺らす穏やかな風
遠くの音大人の談笑
私はこの場所一人ぼっち
ここで見上げる月は…私のもの!」
庭の中をくるくると踊り、
ドレスの裾が優雅に揺れる。
まるでミュージカルの様に、
月明かりの下、歌を口ずさむ…。
歌い終わった時、背後で物音が響いた。
「どなた!?」
「ご、ごめんなさい…あまりに綺麗で。
覗き見るなんてはしたないことを…。」
木の影からいそいそと出てきたのは、
同じ年くらいの女の子だ。
綺麗な簪でまとめられた絹の様な黒髪。
月明かりの様な色の瞳…真紅の着物が、
本当によく似合う女の子。
綺麗…まるでお人形みたい。
「…貴方、お名前は?私は魅香。」
「え!?えと…ケイです!」
…これがケイちゃんとの出会いだった。
家でパーティーは幾度も開催されたが、
楽しいと思ったのは最初で最後だ。



