「ヒュッ…ヒュッ…ハァーッ…スー…ハァ…ゲホッ…ケホケホ」

「魅香、血!これで押さえて!!」

あたしは息をするので精一杯で、

心配する麗菜ちゃんにただ頷くばかり。

「魅香サン、保健室行くデース。」

冷静になると傷口が焼けるように、

ジクジクと痛んできた…。

「真由が連れていく!」

後ろから少しトゲのある声が飛んでくる。

振り返ると傷だらけの真由さん。

「あれ…?あたしを下敷きに、
巻き込んだから無傷だったよね?」

真由さんはあたし達にだけ聞こえる、

ドスの効いた声で『はぁ?』と言った。

くどくどと文句を言い始める。

要約すると…あたしがあんなに派手に、

巻き込まれた癖に全速力で走り出すから、

驚いて自分も走ったら脚がもつれて、

一人でまた派手にやらかしたらしい。

…いや、知らんがな。

「だから!ついでに連れてく!!!」

麗菜ちゃんとエミリアちゃんは困惑。

「信用できない、結構よ。」

「ワタクシ達が連れて行くデース。」

『次は閉会式です。』

アナウンスが響き渡る。

「ほーら行かないと♡真由に任せてっ?」

真由さんはにっこり微笑んだ。