「ちがっ…!!」

慌てるあたしを見て先生はまた笑う。

可愛いね、何しても初々しいって。

「冗談キツいです。」

隣に座る夏夜が鋭く言葉を放つ。

その顔は少しも笑っていなかった…。

「なっ、夏夜?」

「うわっ、怖っ!彼女怖がってるよ!」

あんたも余裕ないわねぇーと、

夏夜の頭をわしゃわしゃと撫でる先生。

「先生…あたし彼女じゃないです。」

「…ふぅん?そぉ?手を繋いで寝るって、
幼馴染みですらこの年じゃしないわよ?」

ま、いいけどって興味なさげに笑った。

「さ、あんた達、もう下校時間よ!
さっさと家に帰って寝ちゃいなさい!!
明日のテストに響くわよ。」

そうだ、明日はテスト…勉強しないと。

って、下校時間!?!?いや…待って、

「あの、保健室来たのは五時間の、
途中だったはずなんですけど!?」

「だってあんた達、二時間寝てたもの!
ほら担任には私がうまく言っとくわ。」

先生に保健室を追い出された。

「夏夜…帰ろう?」

「…あぁ、家まで送る。」

サラッとそんなこと言うものだから、

流れで『うん、ありがとう』…なんて、

言ってしまいそうになる。