私達の間の時がピシリと凍った。
やば…もしかして地雷…?
五感が妙に研ぎ澄まされるのを感じる。
「えっと…そういえば華美さんって、
おいくつですか?その真紅の着物、
上手に着こなしていらっしゃるので。」
麗菜ちゃんっ…あたしのせいで…!!
気を使わせちゃったよね…ごめんよぉ!!
「褒めて下さってありがとうございます。
私…今年で11歳です、小学五年生。」
小学…五年生…11サイ…???
…ショウガク…えぇぇえっ!?!?
『小学生!?!?』
二人の絶叫がシンクロした。
「お二人はおいくつなんですか?」
クスクスと笑う姿は年相応…か?
初めて自分の年を言うことを恥じた。
「エット、今年で16歳デス」
結局、華美ちゃんが下敷きを購入し、
買い物はお開きということになった。
…華美ちゃんの門限が5時だから。
「最近の小学生は大人だねぇ…」
夕日に照らされながら歩くあたし達。
あたし…小学生の時、何してたかな。
「…ナンパされていたものね。」
あ、パルクールしてたわ…そういえば。
クラスで流行ってたなぁ…ぼんやりと、
確実に現実を逃避していた。