「じゃあ、パパはどんな人かな?」
「…ひ”う”ぅっ、パパァッ」
次は蛍を指さしてパパだなんて。
…いや、まさか…!!!
「蛍、浮気!?」
「してない。」
うーん、流石に私も腹を痛めて、
子供を産むなんて経験はしていない。
「あ…もしかしてドッキリ?」
蛍にコソッと耳打ちしてみる。
「魅香が仕掛け人じゃなければない。」
…じゃあ、やっぱり違うのか。
「取り敢えず迷子センターに行こう…」
バッグからタオルを出して、
女の子の髪や顔を拭いてやった。
「今日は寒い…冷えると体に良くない。
…それに子供はすぐ体調を崩す。」
見た感じ、体調は大丈夫そうだ…。
「うぁぁぁぁぁあんッ!!!」
蛍が抱き上げて連れて行こうとした時、
急に大声で泣いて体を逸らせた…。
「うぉッ!?」
もう、活きのいい魚かってレベル。
本気で落としてしまうかと思った。
仕方なく、女の子を歩かせた。
手を繋いでゆっくり目的地へ向かった。
雨も降っているから傘が邪魔!!
本当に女の子は色んなものに、
凄い興味深々ですぐ走り出すし…。
絶対に迷子の原因は全力疾走だもん!!



