「外は結構寒いな。大丈夫か?」

「うん!日差しが温かいから平気」

そんなことよりも!!私聞いてない!

「蛍も今日は着物着てるんだね…」

「…変か?」

そ、そそそんなわけないじゃん!?

むしろ格好良すぎて…直視できない!!

「ううん、格好良いよ…でも、
堂々と人が沢山いる所に行って、
バレないで帰れるかな…。」

「大丈夫、誰も人の顔には興味ない。
変に狐の面を被ろうとする方が、
目立つんだよ。堂々と歩いとけ。」

うっ、さっき狐の面をで照れた顔を、

隠したこと…ちょっと根に持ってる!

「蛍は…本当に格好良いね」

「…急にどうした?」

急じゃないよ、ずっと思ってたもん。

「最初に出会った時は可愛くて、
こんなに着物が似合う子って、
世の中にいるんだって思った…。
でも今はこんなに格好良く着物を、
着こなす人を初めて見たって思ってる。
男物、女物、どちらの着物も、
両方私史上、最も似合うのは蛍。
さっき華美ちゃんが私のおかげで蛍が、
”また”着物を好きになってくれたって、
言ってたのが少し気になったの…」

「ふーん、なんで?」

蛍はこちらを見ずに聞き返した。