「しかも名前入れてくれたのか。」
蛍に送ったのは紺色の万年筆。
ゴールドで”蛍”と彫ってもらった。
「そう、”蛍”って入れてもらった!
んー?私のは”Moonlight Diva”?」
…月光の歌姫?赤色にゴールドで、
エレガントな雰囲気が漂っていた。
「私ね、この万年筆を口実に、
瓶のインク買いに行くデートを、
誘うつもりだったんだよ…」
「奇遇だな、明日は空いてるか?
俺は仕事も無くて一日オフだ。」
蛍のお誘いが嬉しくて、
次は熱出さないでよ?なんて、
少し意地悪を言ってみたり。
「じゃあ、もう寝ないとな。」
「うん、そうだね!!」
私達はやっと布団に潜り込んだ。
「うわ、待って蛍の足…超冷たい!
末端冷え性の女子の足先じゃん!!
大丈夫?ちゃんと血液通ってる??」
「魅香が温かいんだろう?子供体温。」
蛍が手で私の頬を包むように触れる。
先程まで眠くてポカポカだった手は、
目が覚めるのと比例して冷めたようだ。
「ひぇッ!!えぇ、保冷剤?」
「いや、むしろ湯たんぽか?」
そんなしょうもない口論の末、
二人してスヤスヤと眠ってしまった。



