「俺の好き?」

「え?好きだよ!!」

虚ろな目のまま、ふぅんと言った。

私にはそれが少し寂しそうに見えた。

「急にどうしたの?」

「…俺、ばっかり………あ”ッ!!」

虚ろだった目のピントがあった瞬間、

ガバッと体を起こして慌てだした。

「いや、ちが、うっ…気分が…。」

「え!?大丈夫!?」

今日の蛍はいつもよりも素直で、

表情が豊か…顔色がコロコロ変わる。

「蛍…落ち着いた?」

「…悪い、変なことを言った。
てか、なんでここにいるんだ?」

完全に正気に戻った蛍が問う。

「心配でお見舞いに来たの。
あと…私は蛍のこと好きだよ?」

「…心配かけて悪かった。
今日はもう帰ってくれ…。」

蛍は私に背を向けて寝ころんだ。

「”好き”って言われなれてる蛍は、
私の言葉の裏の感情にきっと気づく。
怖いよ、嫌われたくないもん…」

「…嫌わない、もっと言って欲しい。
どんな魅香の感情も…俺は嬉しいし、
愛おしいと…思う、好きだから。」

小さく丸まった背中が一生懸命、

気持ちを伝えてくれている…。

「蛍…ありがとう、大好きだよ。
…ま、またね!お大事に!!」