「お化け屋敷苦手なの知ってるよね?
ねぇぇぇっ!!もう、やだぁ!!」
「あの雰囲気は断れなかっただろ?」
蛍と繋いだ手に汗が噴き出す…。
「も、手…離さないでね!?
汗はもう仕方ないからァァァッ!?」
後ろからポンと肩を叩かれ、
心臓が悲鳴を上げる…いや、口か?
もうビビり散らかす私を見て、
仕掛け人はみんな笑ってるんだ。
「もっ、無理…怖すぎる…」
「ただの暗い教室だ、大丈夫だって。」
分かってるよ!理解してる!頭では!!
「ひぅっ…無理、怖いぃっ!!」
「はいはい、コワクナイヨー。」
わしゃわしゃと私の頭を撫でる蛍。
うー!!馬鹿にされてるッ!!!
「あ!出口!!明かりが見えた!」
「あっ、ちょっ!」
私は蛍から離れると光に向かって、
小走りで向かっていった。
『ウォォォォッ!!』
「ピャァァアッ!!!」
出口直前、ゾンビに模した人が、
襲い掛かると私は腰を抜かした。
「ふはっ、あんなッ初歩的な…。」
プククッと肩を震わせる蛍。
「もう!そんな笑わなくても!!」
近くの椅子に腰かけて猛抗議。
だって…出口で驚かされるとは…。