無名ファイル1


ばっかみたーい!!と笑う真由さん。

「馬鹿はお前だろう…毎回律義に、
名乗って話しているんだから、
で?どうするこの音声データ。」

録音中と書かれた携帯の画面を見せ、

空き教室から出てきた蛍。

「ひっ、ホタル…きゅん…なんで?」

「魅香が帰ってくるの遅いから、
心配になって教室を一歩出たら、
丁度大声で話してたんだよ。」

そう、その空き教室は私達のクラス。

流石にクラスメイトはみんなは、

出店などに出払っているからいない。

「誰も…いないと思ったのに…!!」

「壁に耳あり障子に目あり。
誰がどこで見ているかはわからない。
子役の頃から芸能界にいてそのザマ?
で?前回二度と魅香に近づくなと、
釘を刺したのをもう忘れたのか?」

あー、元子役かぁ…なんか理解した。

自信家な所とか、我儘な所とか…。

「どうする?個人的に謝罪するのと、
テレビカメラの前で全国に謝罪するの」

芸能人したら最悪な脅し文句だと思う。

結局この言葉に観念した真由さんは、

衣装担当の子はちゃんと謝ってくれた。

ラストの歌のCDを圧し折った件は、

勿論謝罪の様子を携帯カメラに納めた。