お手洗いへを済ませ、廊下を歩く私。
一人の人物が声をかけてきた。
その人物は猫撫で声で一言。
「あー、残念!!無様な姿が、
見られるかなと思ったのにな~。」
…なんて悪質なんだろう。
そんなことをしても蛍は、
絶対に貴方に向くことはないのに。
「真由さん!衣装作った子には、
ちゃんと謝ってほしい…時間を割いて、
一生懸命作ってくれていたんだよ?」
真由さんは栗色のボブの毛先を、
パッと払って馬鹿にしたように笑った。
「努力ってすっごく無駄だよねー!
だって真由がハサミちょきってしたら、
今までの時間は全部水の泡だもん♪」
なんか…この子凄く勿体無い。
顔は可愛いのに心無い言葉を使うから、
性格の悪さが顔に滲み出てる…。
「性格が悪いって凄いよねー!!
どんなに可愛い顔の子もたちまちに、
ブスな印象に変えちゃうんだから!」
「ハァ??」
文化祭の賑わいの無い階の廊下。
空き教室ばかりで静寂に包まれている。
「…ここの階は静かだね。
おかげで貴方の犯行の言質は、
綺麗に録音できたよ。」
「…!?はっ、声だけで誰かは
判別できないじゃん☆ハッタリ?」



