「…って感じかな、昔の話終わり!」

「思いの外、あの教師が狂ってたな。
…何?サラッと流したけど鞭って。」

傷は?残ってないか?と少し、

不機嫌そうに心配する蛍…可愛い。

「ふふっ、大丈夫。残ってないよ!
あ~、直接目で見て確認するぅ?」

「い、いや!いい!!分かった!!
…おちょくるなよ、意地が悪いな…。」

少し赤くなった顔を手の甲で押さえて、

ジトォッと私を見る蛍…きゅーんっ!!

「歌はさ…二人で作るのはどう?」

「魅香がいいなら…劇のラストだし、
二人で歌うのもありかなと思った。」

眼鏡をかけながら爽やかに笑う蛍。

うっ、かっこよっ…!!!

「うん、やっぱり二人の物語だし、
一緒に歌わないと違和感あるよね…」

「まぁ、今回の歌は文化祭限りの、
プレミアだな。特別感あるだろう?」

文化祭では人気な店と公演に、

賞が授与される。例年はどちらも、

三年生が独占だが…うちのクラスも、

公演部門優秀賞目指して団結中。

「特技は活用しないとね…」

若さは確かにブランド。それ以前に、

二人は歌手とアイドルというブランド。

単なる若さよりも断然に…。