「あ、あぁッ!!!」

「…ッ!?はッ!?何!?」

私の声にビクゥッと肩を縮める蛍。

あ、ごめんと思いつつキュンとする。

「私…舌を噛んだことを最初に、
謝らないといけないと思ってたのに!
その節は本当にごめんなさい!!」

「あー…確かに割と痛かったけど、
それより声に驚きすぎて心臓が…。」

ウゥッ、心臓出たかと思ったァ…と、

口を押さえる蛍に手を合わせて謝った。

「別に舌を噛んだことも怒ってない。
まぁ、急にあんなことする俺が悪いし、
カッとなって…怖がらせて悪かった。」

「私は大丈夫、あと…あの音楽教師は、
二度と近づくなって釘を刺したから!」

教師の腕を捻り上げた話をすると、

ヒェッと声を上げて目を逸らされた。

「あと、ピアス外した!穴も塞ぐよ!
蛍に言われるまで気づかなかった。
…あの人の呪縛から逃れるって発想が、
私には無くて。蛍に言われて初めて、
私は自由だって思った…ありがとね!」

「…気づくのおっそ、穴…塞ぐのか?
似合ってはいたよ、俺は妬くけど。」

ふふっ、妬くんかい!!

「要らない、契約のピアスなんて。
犬の首輪と大差なかったもん…」