パンケーキを食べ終えたエミリアは、

淑やかに帰り支度を整えた。

やっぱりお嬢様だ…教養のある仕草。

「エミリアは…私を勘違いしてるよ」

「魅香、そんな難しい顔をしないで?
困らせたいわけではないのデース!」

やっと言葉を口から絞り出すと、

それを察したエミリアが優しく微笑む。

…首を絞められたような気分になった。

「この紅茶、喉に良いと話題デス!!
魅香に喉を早く治してほしいデース!」

カフェを出ると購入していた茶葉を、

私にキラキラ笑顔で渡してくれた。

この気遣いが人気の理由なんだろうな。

「…今日はお開きに致しましょう、
魅香、とても楽しかったデース!!」

「うん、誘ってくれて嬉しかった、
私も楽しかった…紅茶もありがと!」

エミリアはふふっと笑って私の手を、

包み込む様に握りしめた…。

「魅香、ワタクシはどんなときでも、
貴方の一番の味方でいたいデス。
…私の気持ちデス、返事は待ちます。」

彼女はいつになく真剣に私を見つめた。

「エミリア…」

私がかける言葉に迷っていると、

彼女は既にいつもの笑顔に戻っていた。

「では、また明日!!」