「今から二人でカフェに行くデース!!
まさか二度もワタクシからの誘いを、
断るなんてこと…無いデスよねぇ??」

「あっ…はい、仰せのままに…」

放課後…エミリアの謎の圧しに負け、

二人で新しくできたカフェに訪れた。

「ふぅ…ようやく高校生らしい放課後。
女子高生って感じで楽しいデース!!」

クリーム増し増しの巨大パンケーキを、

大胆に口に運び、頬張るエミリア。

「魅香、ワタクシは何度も言うように、
魅香のヒーローになりたいデース。」

「えぇ?」

急に何ー?と笑ってコーヒーを啜った。

「冗談だと思いますか?気持ち悪いと、
ワタクシから距離を置きますか?」

エミリアは眉を下げて寂しそうに笑う。

初めて彼女の心を正面から見た…かも。

「本気で言ってくれるなら引かない。
嬉しい…ありがとう、エミリア」

「…魅香の心は綺麗で魅力的デスね。
偏見という穢れが無く温かいデース。」

窓から差し込む光が彼女の赤髪を、

キラキラと照らす…宝石のような瞳が、

視線を逸らして、彼女の薄い唇が開く。

「ただ…今はその薬のような優しさが、
毒に変わる…息が詰まる、苦しい。」