あの日から約一か月…。

今日から二学期、学校再開だ。

私はあの日から歌や演技を磨いた。

ふふふ、きっと蛍も驚くだろうなぁ。

「魅香~!!!おはようデース!!」

「んぎゃっ、エミリア!?おはよぉ~」

廊下を歩く私に突進してきたエミリア、

うん、相変わらず元気そうで安心した。

「魅香は音楽の先生が事故に遭ったの、
知ってます?かなりの噂デース!!」

音楽の先生は女子からとても不人気な、

セクハラじじい。それもあって、

噂が瞬く間に広まったのだ…。

「知ってる、クラスチャットの賑わい、
凄いし…イケメンの先生が来るって…」

「変態じじいからイケメンは、
流石に降り幅の暴力デース。」

…てか、本当に事故に遭ったのかすら、

曖昧なのにみんなよく盛り上がれるな。

「麗菜、おっはよー♪」

教室に入ると麗菜が原稿用紙に何かを、

ガリガリと書きなぐっていた…。

「あ…えぇ、おはよう…。」

「え、どうしたデース…??」

麗菜は憔悴しきった様子で項垂れた。

「いや、今週末〆切の小説が…その…」

麗菜は言い終える前にすやっと落ちた。

この子も相変わらずだ…。