空港から車を出してくれた澤田さんに、

お礼を言って車を降りた場所は蛍の家。

状況が掴めず立ち尽くしていると、

優しく手を引かれ、家にお邪魔した。

「俺、今日も仕事…頑張ったよ。
魅香、少しだけ頭…撫でて。」

家に入るや否や、ソファに寝そべる。

私の膝に頭を預け、そっと目を細めた。

こんなに可愛い蛍…初めてだ!!

今日は華美ちゃんもいないみたい…。

「魅香からキスしてよ。」

…とろんとした熱っぽい視線が、

なんだかとても色っぽい。

「蛍…甘えん坊だね」

ん?…と、いうか…???

「…蛍?」

ね、寝ている!!…少し隈がある。

私はしばらく寝顔を眺めていた…。

「っ、寝過ごした!!」

勢いよく起き上がった蛍の頭突き。

わりと強烈な一撃…。

『ゴチーン!!!』

「いっっったぁぁぁっ!?」

「うっ…ぐぅ…!!」

しばらく二人して悶えてしまう…。

「悪い、大丈夫か?最近寝不足で…。
これを早く完成させたかったから。」

蛍に渡されたイヤホンを耳につける。

鼓膜を揺らす切なくとも優しい音と、

彼の真っ直ぐな視線に息を呑んだ…。

「凄く…綺麗」