「月乃、さっきはありがとな。」

「…っお疲れ様!!生徒代表~」

隣の席に座ったのはそう、夏夜君だ。

彼はあたしが麗菜ちゃんといるのを見て、

ほっとしたように微笑んだ。

「同じクラスで良かったな、よろしく。」

「よろしく!あ、この子麗菜!!」

麗菜ちゃんは会釈をすると、

逃げるようにあたし達から離れた…。

「…嫌われた?」

「いいや、彼女は人見知りなのさっ」

あ、麗菜の連絡先…ま、後で聞くか…。

『では帰りのHRを始める!席つけ!!』

結局あたしは帰りのHRが終わると同時に、

先生に連れられて職員室へ向かった。

「うへぇ…先生達の視線が痛いぃ~。」

「当たり前だ、初日からそんな髪色!」

先生は椅子に腰を掛けると溜息をつく。

あたしは思わずクスっと笑った。

「何がおかしい!!…っ!?」

先生は立てない…まぁ、有名だよね。

額を指先で抑えるだけで立てないの。

「まぁまぁ、そう焦りなさんなって…」

魅香の顔からはスッと笑顔が消え去る。

担任はビクリと肩を震わせ硬直した。

まさに蛇に睨まれた蛙のように。

「私、受験生の時から銀髪でしたよ?」