白い部屋の中心に俯く少女が一人。



屍の壁、温度のない…交差する視線。



空っぽで虚しくてどこか寂しい音がする。



微かに消毒液の匂いが漂う無機質な部屋。



床を凝視した少女はグワッと顔を上げ、



急に不気味に口元を吊り上げた…。


『カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ』


『ガタ ガタ ガタ ガタ ガタ ガタ ガタ ガタ ガタ ガタ』


『ギリ ギリ ギリ ギリ ギリ ギリ ギリ ギリ ギリ』


『ガリ ガリ ガリ ガリ ガリ ガリ ガリ ガリ ガリ』


『カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ』


歯が砕ける程の勢いで歯軋りをする少女。



急に辺りの空気が熱く変化する。



少女の狂ったような笑い声が響く。



屍が助けを乞う様に…少女に手を伸ばす。



彼女の歯軋りの度に空気が揺れる。



長く黒い前髪の隙間から瞳が覗いた…。



その瞬間、辺りはバッと光を失う。



まるで…そう、暗転した舞台上の様に。



少女の啜り泣く声が部屋に木霊していた。