そうして僕は、人の代わりに傷つく仕事、傷つき屋を始めました。
学校での些細な仲間はずれから、身体的ないじめや、人の目が怖くて登校できない子など、様々な悩みを抱えた子たちからメッセージが来ました。
学校だけに留まりません。
親に帰ってくるなと言われて、ゲームセンターの裏にたたずむ子もいました。
逆に家に帰るのが怖くて、あてもなく時間を潰す子も。
それは決まってみんな、子供でした。
小学生でも中学生でも器用にネットを使って、救いを求めてきました。
「傷つき屋」、普通そんなアカウントを見つけても、そんなバカな、って思うでしょう。
代わりに傷つくなんてくだらない嘘だ、荒手の詐欺だ、冷やかしだ、と。
でもみんなそう思いながら連絡してくるんです。嘘にでもすがりたいくらい、苦しんでいるんです。