葵はつぶやくと、思い切ってお店のシャッターを下ろした。
今日この日までに、気持ちに踏ん切りはつけたつもりだ。
(六十年間ありがとう。またいつか復活させるからね)
予め用意していた『閉店のお知らせ』の紙を貼り、お店に背を向けたその時……。
キキィ……ッ
「!?」
見覚えのある高級車が店の前に停車し、すぐに運転席のドアが開いた。
(えっ……!!)
「……葵ちゃん、待って!」
「す、須和さん!?」
現実味がなく、葵が呆然と立ち尽くしていると、
スーツ姿の須和は急いで目の前までやって来た。
「……よかった、間に合って」
無造作に下ろされていた前髪を掻き上げながら、須和は乱れた息を整える。
「なんで、須和さんが……」
「……葵ちゃんに会いたくて」
今日この日までに、気持ちに踏ん切りはつけたつもりだ。
(六十年間ありがとう。またいつか復活させるからね)
予め用意していた『閉店のお知らせ』の紙を貼り、お店に背を向けたその時……。
キキィ……ッ
「!?」
見覚えのある高級車が店の前に停車し、すぐに運転席のドアが開いた。
(えっ……!!)
「……葵ちゃん、待って!」
「す、須和さん!?」
現実味がなく、葵が呆然と立ち尽くしていると、
スーツ姿の須和は急いで目の前までやって来た。
「……よかった、間に合って」
無造作に下ろされていた前髪を掻き上げながら、須和は乱れた息を整える。
「なんで、須和さんが……」
「……葵ちゃんに会いたくて」

