独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

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「車を出してくれ」
「かしこまりました」

須和は天馬堂を出たあと、あらかじめ近くで待たせていた社用車に乗り込み、小さく息を吐いた。

「それで、天馬様にはお話できたのですか? 社長」

助手席にいる秘書の加瀬が、チラリとミラー越しに視線を送る。須和は小さく首を横に振った。

「いや、できなかったよ。見たところ、今回は難しいかもしれない」

「そうですか……残念です」

「……」

今にも泣き出しそうな重たい雲が、あたり一面に広がっている。
天気予報では今晩、雪が降るらしい。

(葵ちゃん、由紀子さんにそっくりだったな)

「……加瀬、他のテナントの進行状況はどうなってる?」

「順調だと言えます。本日三社からお返事を頂きまして、他の二社が検討させて欲しいと」

「そうか。それで、梨々香の会社は?」