独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

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月日は流れ、七月初旬ーー。
午後八時、閉店時刻を迎えた葵は、店の掃除に取り掛かっていた。


「明日は俺がいないから、あらかじめ多めに在庫を用意しとけよ」

「うん、分かったよ。お父さん」

利光の背中を見送り、ふと窓の外を見た。

(あ、また雨……)

季節は移つろい、世間は梅雨真っただ中だ。
葵はしとしとと降りだした雨を、ぼんやりと眺める。