独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

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その日の晩ーー。

(今日は早く寝よう)

葵は昼間の衝撃的な一件で、さすがに疲れていた。
ぼんやりとしながら夕食を食べ、箸をおく。

「ごちそうさまでした」

利光はもうすでに食べ終わっており、葵の目の前でのんびりとテレビを見ていた。

「ああ、葵。食事は済んだのか」

「うん、すぐに片しちゃうね」

食器を洗いに行こうとする葵を、利光は制止した。

「? どうしたのお父さん」

「今日はお前に話があるんだ。一度席に戻れ」

「……分かったけど。どうしたの、改まって」

「いいから」

利光は葵は着席を確認したのと同時に、少し気まずそうな顔をして頷いている。

(変なの、何かいいずらいことなのかなぁ)

しばらく利光は黙っていたが、意を決したように口を開いた。

「……葵、実はな。俺の頭に“脳腫瘍”ってやつができちまったらしいんだよ」

「えっ!?」