独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

言いながら、頬にじわじわと熱が集まってくるのを感じる。

(子供って言われてるみたい。須和さんの前なのに、すごく恥ずかしいな……)

なんとか口角を上げると、目の前に立っていた須和が葵に向かって微笑んだ。

「……葵ちゃんは、大人の女性だよ。ちょっと抜けてるところはあるけどね」

「え……?」

心臓が跳ねる。今一瞬だけ、あの時のような熱い眼差しを向けられたような気がしたからだ。

「……柾は葵ちゃんと仲が良さそうだな」

黙って眺めていた須和の父、義則がにこやかな表情で口を開いた。

「ああ、葵ちゃんとはかれこれ二年の付き合いになる。それが何か?」

「……いや」

「へぇ、そうなんですね……」

梨々香はそう言うと、須和の裾をキュッと掴んだ。

(えっ……)

「ねぇ、柾。時間大丈夫かしら。次の会議に間に合わなくなるわ。そろそろ……」

「そうだな。まだ余裕はあるけど……」

須和は腕時計で時間を確認するなり、利光と葵に軽く会釈する。

「おじさん、葵ちゃん、また改めて遊びに来るね。……親父は、どうする?」