独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

「それで、お前たちは付き合うことになったのか?」

「はい……?」

思考が停止する。
まさか利光の口からそんなことを言われるとは夢にも思っていなかった。

「まぁ、葵ちゃんそんなに須和さんといい雰囲気だったの?
いいわねぇ彼、イケメンだし、お金持ちだし~♥」

案の定、立花さんも乗ってきて、葵はたらたらと冷や汗を流す。

「二人ともちょっと待って! 私たち全然そんなことになってないし。
食事は行ったけど、本当にそれだけ……だもん」

最後の方は、語尾が弱くなってしまった。

(自分で言っといて、何傷ついてるんだか...…)

立花さんは口を尖らして、まだ野次馬の目を向けてくる。
一方……利光はどこか残念そうだ。

(お父さん?)

……とその時、お店の扉が開かれる音が聞こえてきた。

「お客さんだ。私、出てきますね」

「ごめんね葵ちゃん! よろしくね」

利光の表情は気がかりに思ったが、葵は気持ちを切り替えて笑顔で店頭に向かう。

「いらっしゃいま……」