独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

「……」

わずかな沈黙の後、ゆっくりと須和は身体を離し、泣き腫らした葵に優しい眼差しを向けた。

「お母さんの近くまで行こうか」

「え……?」

言っている意味が分からなくて、葵は目をぱちくりさせる。
その間須和は、腕時計で時間を確認するなり苦笑していた。

「九時すぎか。ちょっと急がなくちゃな」

「???」

「ここよりもっと高い場所は平気?」

「へっ?」