独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

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一時間後—-。

「須和さん、あの、これはどういうことでしょうか……?」

葵は南青山にある高級ブティックのVIPルームで、ネイビーのドレスを着て立っていた。

しかも……須和があらかじめ店に待機させていたヘアメイクさんに、メイクと髪形のアレンジまでしてもらった状態で。

「葵ちゃんをまずは変身させたいなって思ってさ」

そう言いながら、須和はそっと距離を詰めてくる。

(え、須和さん……?)

急に近くに感じる須和の体温に、葵の心臓が早鐘を打ち始める。

「……髪、イヤリングにからまっちゃってる。取ってあげるね」

「!」

カチャッとイヤリングが動くのと同時に、耳朶に須和の指先がかすめる。
たちまち頬に熱が集まってくると、須和は反応を面白がるように小さく笑った。

「よし、取れた。……いつもの葵ちゃんも素朴で可愛いけど、今日はすごく綺麗だね」

耳元で甘い言葉を囁かれて、鼓動が一層速さを増す。

「あ、ありがとうございます。こんな大人な恰好したことなくて照れるというか……」

「じゃあ、当たり前になるように今から次の場所に行こっか」

「次の場所……?」