独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

まだ厨房にいる父を残し、店のシャッターを閉めて葵は店の前に立つ。

(いくら前よりは話せるようになったとはいえ、やっぱり緊張する。服も全然普通だし)

心臓をドキドキさせていると、車のヘッドライトが店を照らし、一台の高級外車が彼女の前に停車した。

「葵ちゃん、お疲れ様。ごめん、待たせちゃったかな?」

「いえっ、今出てきたところです! 迎えに来てくれてありがとうございます」

運転席から出てきた須和は、服装はそのままに先ほど下ろしていた髪を綺麗にセットして出てきた。
前髪で隠れていた綺麗な顔立ちがハッキリと浮き彫りになり、シンプルな服装も様になっている。その美しすぎる出で立ちに、葵は思わず息を呑んだ。

「さ、どうぞ」
「ありがとうございます」

葵はエスコートされるまま助手席に乗り込むと、さっそく車は出発した。

(うわぁ、ふかふかの椅子……)

重厚感がある車内に衝撃を受けていると、須和がチラリと葵をミラー越しに見る。