独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

「食事ですか!?」

予想外な須和の発言に、葵は思わず声を上げた。

「葵ーうるさいぞ。どうしたんだ!」

厨房にいた利光が、暖簾から顔を出しギロリと睨みを利かせる。

「……あれ、柾じゃないか。来てたのかい」

「こんにちは。おじさんの顔見に来ましたよ」

(うわぁ、お父さん来ちゃった……話ずらくなっちゃったな)

葵のそんな思いとは裏腹に、利光は笑顔を浮かべながら二人の間にやって来る。

「顔を見に来たって、今日は休みなのかい?」

「はい、完全に一日オフで」

そう言った後、須和がチラリと葵に視線を向けた。

「それで、葵ちゃん今日は大丈夫かな?」

「えっ……は、はい! 大丈夫です……」

須和の勢いに押されて答えると、利光が不思議そうに首をかしげている。

「なんのことだ?」

「……今晩は葵ちゃんをお借りします。帰りはちょっと遅くなるかもしれません」

「は……?」

「変なマネはしないので、ご安心を」

須和は笑顔で利光の肩をポンポンと叩き、葵を見る。

「お店が終わるころに迎えに来るね」

「わ、分かりました……!!」